2014年3月5日

焚火を前に アウトドアエッセイ その2

前回一発創作分書いたら、何か触発されて更に頭に言葉が浮かんで来たので、調子に乗ってもう一丁。

ちなみにこちらでは、こんな感じの突発的で創作的なインスピレーションが湧いて来る事を、

"I've got the creative juice flowing in my head."
なんて言ったりします。クリエイティブ・ジュースですって。何とも言葉って面白いですよね。言い得て妙。

何はともあれ。

今日も長い一日だった。朝8時に歩き始めて8時間半。まだ日差しの強い午後の後半にこの海辺の小屋に着いた。あまりにも天気が良いので、この長い砂浜をゆっくり散歩。波の音が心地良い。


ずっと砂浜に座って、波の音を聞きながら繰り返されるこの永遠に続く波の出入りを楽しんで見ていたいけど、あいにく立ち止まって一分もすればこの無数のサンドフライに囲まれて襲撃を受けてしまう。少しだけ風があればもっとマシなのにな、残念。でも日も暮れればこいつらもやがてどこかに姿を消して、とりあえず朝までは苦しみから解放される。

小屋に戻って、夕食済ませて、後は寝るまでたっぷり時間がある。


もちろんこのニュージーランドの南島の西海岸で、人っ子一人いない砂浜でする事って言ったらそれは焚火。大小様々な大きさ、形の無数の流木が砂浜に打ち寄せられて転がっている。ある意味これがしたくてここに来たんだ。幸いここには焚火禁止の標識も見当たらない。

以前、友達のトムが、焚火を前にして他の友達に、

"Fire is a good moral booster."

”焚火は気持ちを持ち上げるのに最良。”


と言ってるのを聞いた。何をキザな事をとその時は思ったけど、なんだかんだ今思えば良く言い当ててるなと関心。

火の前に座って、何をするでもなく、ただただ炎の揺らめきに心を奪われ見つめ続け、心の中は空。時折更に薪を足して炎を一定に保って続かせる。


空は青から黄色、そして金色、オレンジ、紫と様々に色を代え、やがて段々と星の数が増えて来た。今日は月は出ていない。また満点の南半球の星空の眩しい夜になりそうだ。星がありすぎて星座が分からない。

一人で炎をこうやって見つめ続けていると、様々な思いが心をよぎる。

思えば遥か遠くまでやって来たもんだ。

新しく手にしたもの、過去に惜しみながらも敢えて手放したもの。

いつも何かを探していた。

でもその何かは、たまにぼんやりと形を表したけど、今でもその全容をはっきり目にした事は無い。

さあそろそろ小屋に戻って寝袋に入るか。明日も長い一日が待っている。

それではまた。星空の下で。

焚火の炎に心を奪われてしまう方、良かったら応援のクリックを!
にほんブログ村 海外生活ブログ ニュージーランド情報へ


0 件のコメント:

コメントを投稿