2014年11月25日

クイーンズタウン国際マラソンが行われました

さて、2014年11月22日の土曜日に行われた、記念すべき第1回目の、Queenstown International Marathon クイーンズタウン国際マラソン。あいにく天気は味方せず、雨が降り風も強いマラソンを走るには、とても辛い条件となってしまいました。

それでも数多くの人々が参加し、大盛況のうちに終えました。

こちらがレースの結果へのリンク。

私のチームの担当は、朝5時スタートで、ハーフマラソンの出発地点の設営、そしてハーフマラソンのランナーが皆行ってしまったら、下の写真に見れるフェンス撤収して、今度はフルマラソン走ってるランナー達の給水地点として、ドリンクを渡す仕事。

写真でも見れる様に今にも雨が降り出しそうな天気。実際、強風と雨で、群れたままただ立ってるには少し寒かったです。

ハーフマラソンのスタートは朝8時でした。

 朝6時過ぎ。まだランナー達もあまりいず静かな雰囲気。


 7時半を過ぎ、段々人の数も増えて来ました。

 続々と集まって来るランナー達

 スタート10分前位。皆スタート位置につき始めました。

 スタート地点のゲートを膨らましていざ設置完了。



 さていよいよスタート間近。



 カウントダウンからいざスタートです。



参加者ほぼ全員スタートを終えました。

と、こんな感じで、実際何人がここからスタートしたのかは分かりませんが、2000人位はいたのではないでしょうか。

今回がクイーンズタウンで行われる初めての国際マラソン。

これからどんどん規模の大きいイベントに成長して行くのではないでしょうか。

日本人とおぼしき方達も見受けられました。

フルマラソンのランナーの中には、日本人で、浦和レッズのユニフォームで走っている方もいました。しかも、ロブソン・ポンテの名前の入ったユニフォーム。あの方、誰だか知る由もありませんが上手く行った事を願います。

宜しかったら次回、貴方も是非参加してみては如何でしょうか?

それではまた次回。

2014年11月23日

雑誌 ウィルダネス 2014 No3 Wilderness Magazine Japan

日本のこの秋に発売された、瑛出版社のウィルダネスという雑誌に、ニュージーランドのハンプリッジ・トラック、スチュワート島、そしてベイ・オブ・アイランズが特集の1つとして取り上げられました。




この特集の中の、ハンプリッジ・トラックを取材される際に少しだけお手伝いしたので、その関係でこの号が送られて来ました。

ニュージーランドのアウトドアの魅力が、プロのライターの方々によって存分に引き出された内容となっています。

宜しければ、手に取ってご一読下さい。ニュージーランドの他にも様々な海外の記事も載っています。

日本にいた頃はこの手の雑誌を良く買って読んでは、まだ見ぬ地に夢を膨らませた物でした。

活字媒体の衰退が叫ばれて久しいですが、それでも日本は雑誌等の数がまだ圧倒的に多いと感じます。まだこういった雑誌等の需要が世界的に見れば多いという事なのでしょうか?ここニュージーランドと比べると、そこにも文化の違いが見て取れます。

今回は宣伝みたいになってしまいましたが、是非手に取って御一読を。きっとニュージーランドいに行ってみたくなるはずです。

それではまた次回。

2014年11月20日

クイーンズタウン国際マラソン Queenstown International Marathon

来る2014年、11月22日の土曜日に、第1回の記念となるクイーンズタウン国際マラソンが行われます。

ひょんな事から友人の手助けで、ボランティアとして参加する事となりここにこうして、このイベントについて書いてみたいと思います。

こちらが公式ウェブサイトへのリンク。

先日、ボランティア向けの説明会がありそれに参加して来ました。


こんなTシャツ貰ってしまいました 




当日はこのバナーを多く見かけるのではないでしょうか

我らのチームの役割は、当日朝5時半スタートで、ハーフマラソンの出発地点の準備及び設営だそうです。

こちらにコースの地図を載せておきます。


フルマラソンは、クイーンズタウン近郊の町アロータウンからスタートし、クイーンズタウンに戻って来るコース。

一度マウンテンバイクでこのコースの大半を行った事ありますが、少し起伏はありますが、そんなにキツく無いと言えるでしょう。

クイーンズタウン郊外の、のどかな風景を見ながら廻れるコース。

どうやら6000人の参加者がいるようで、ここクイーンズタウンでのこれまでに無い規模のイベントでは無いでしょうか。

噂ではこの週末は、このイベントの影響で町のホテルの部屋は殆ど予約されてしまったとの事。

当日天気が良いと良いのですが、最近は雨が続き、周りの山々は雪がすっぽり覆っています。何とも夏らしく無い日々が続いています。

それでは、また、出来れば当日のリポートもいずれ記事にしてみたいと思います。

それではこれに参加する方グッドラックという事で。

また次回。

2014年11月12日

ラグビー、フィジー、トンガ、サモアのハカの御紹介

ずっとラグビー関連の話題が続いています。

でも、これだけはどうしても書いておきたいので、またここにラグビーの話題を1つ。

とは言っても、試合前に行われる、戦い前の儀式のハカにまつわるお話。

以前の投稿で、
について説明しました。詳細は上のリンクを辿って頂ければ読めます。

ニュージーランドのそれはハカと呼ばれます。この伝統は太平洋諸島系の国々に根付いていて、ニュージーランドを始め、フィジー、サモア、トンガなどの太平洋諸島の国々もこういったダンスを披露します。

ラグビーはイングランドが発祥のスポーツ。

19世紀中頃から後半にかけて誕生、発展しました。

その頃は大英帝国の名の通り、世界中に植民地がありました。『陽の沈まない帝国』なんて呼ばれていたくらい、世界中に植民地が。勿論、ニュージーランドもその内の1つ。

で、太平洋に浮かぶ、フィジー、サモア、トンガもそう。

ラグビーやクリケットと言ったスポーツが世界的で無く、ランダムな国々で盛んなのはこういう理由があります。

で、これらの国々も、試合前に、オールブラックスの様に、歌と踊りを披露し、相手に挑戦を賭け、それと同時に自分達自身を鼓舞します。

以下、それぞれの国での呼ばれ方。ハカはニュージーランド先住民族のマオリ族の言葉でニュージーランドの物を指します。

サモア=シヴァ・タウ Siva Tau
フィジー=シビ Ci bi
トンガ=シピ・タウ Sipi Tau

以下に幾つかYouTube上で見れるビデオを拾って見ましょう。

先ずはサモア。チームカラーは

こちらはフィジー。このビデオの中では2番目、チームカラーは


そして最後にトンガ。こちらはチームカラーです。

それぞれ、国によって振り付けが違うのが分かります。

想像してみて下さい。かつてはきっと右手に、棍棒やら、斧もしくは槍なんかを手にして、多分上半身裸でこれを敵に向かってやってたんでしょう。どれも、お前を殴り殺すってな事を言ってる様に見えます。

もし自分が18世紀のまだ世界地図も完全ではなかった頃なんかにに、ジェームス・クック船長さんみたいに何年も船に乗って、海で地球上を廻り、地図に載ってない陸地を発見したぞって近づいて行ってみたら、こんな感じで現地人が浜辺で威嚇して来た。私だったら先ずぶったまげてたどころの騒ぎではないと思います。

って言ってもその頃の西洋人は銃とか大砲持ってたんでしょうけど。

何はともあれ、これだけは是非皆さんに知って欲しくて記事にしてみました。

来年2015年には、イングランンドでラグビーのワールドカップが開かれます。

試合前の伝統の儀式に注目してワールドカップを楽しむという新たな喜びが発見出来るのでは?

それではまた次回。

2014年11月11日

マオリ・オールブラックスのハカ、ティマタンガ Timatanga

以前の投稿で、ラグビーのニュージーランドを代表するチームである、オールブラックスが試合前に演じるハカについて書きました。

今回は、マオリ族の血を引く選手のみで構成されたチーム、マオリオールブラックスが演じるハカ、ティマタンガの御紹介。

マオリ・オールブラックスについてのウィキペディアでの解説ページへのリンク。

何はともあれ先ずはユーチューブ上のビデオを見てみましょう。



こちらは、2010年度のマオリ・オールブラックスが演じたハカ。

そして次にこちらが2014年11月に、神戸にやって来た際のハカ。



Timatangaをグーグルで検索すると、幾つも結果が出て来ますが、最初のウェブサイトを辿るとこんな解説が。

KIA WIRI!
TU WHAKAMAUA!
KIA TINA!
Tina!
Hui e!
Taiki e!!


I TE TĪMATANGA
KO TE KORE*
Ko Te Pō-nui
Ko 
Te Pō-roa
Ia, ha ha!

Wehenga mātua
**
Herenga tāngata
He toa rangatahi
He toa rangatira.

Whakaki te maunga
Tae ki te whenua
Hoki ki te rangi
Tae ki te pukerunga
Ia, ha ha!

Piki ake, piki ake
Ki te ara poutama
Ki ngā taumatatanga
e Wairua,
Hinengaro
Tinana

Aue, aue, aue, hi! 
Start quivering your hands!
Stand sure,
Be firm!
Firm!
Get together!
Intermesh with each other!

In the beginning
there was nothingness,
then great dark forms
in the long night.


The 
separation of our parents
**
The binding together of mankind
Young warriors
Noble warriors

Aim for the mountain
to arrive at the plain,
and also for the sky
to arrive at the hilltop


Keep on climbing
via the pathway of wisdom,
to achieve excellence
spiritually,
mentally,
physically. 

こちらの訳の方は今度時間をかけてしてみたいと思います。

個人的には実は、こちらのハカの方が、オールブラックスのカマテカパ・オ・パンゴより数段かっこいいと思ってますが、ニュージーランドではやはりオールブラックスは神聖な物ですから、あまり大きな声でこういう事言うのははばかられます。

実際、周りのキウイの友人達でも、このティマタンガに言及する人はあまりいません。

今回は簡単な、ちょっと違ったハカの御紹介でした。

2014年11月9日

マオリ・オールブラックス対日本代表、第2戦を観て

!!文章だけです!!

日本代表とマオリオールブラックスの試合が行われた

昨日、2014年11月8日に、東京で行われた、ラグビーのマオリ・オールブラックス対日本代表の2戦目を、オンラインのストリームで観ました。

結果は、20対18で、マオリ・オールブラックスの勝ち。非常に拮抗した試合となり、最後までどうなるやら、分からない展開でした。特に、後半日本が逆転してからは、まさに勝つのではないかという展開。

後半残り3分まで!

が、しかし、何という試合でしょう。後半残り3分くらいまで、日本が18対15でリードしていました。このまま逃げ切れるのかと思っていた所、オールブラックスボールで、素早いスローインからフィールド中央までボールを一気に運ばれ、そこから怒濤の攻めであっという間にトライを奪われてしまいました。

なんと心が打ち砕かれた瞬間でしょう、日本選手達にとって。

ニュージーランドは未だかつてラグビーで日本に負けた事が無い

どうやら、試合のコメンテーター二人、共にニュージーランド人、によれば、今までかつて、どの年代別代表を通しても、ラグビーでニュージーランドが日本に負けた事は無いそうです。

後もう少しで歴史歴快挙だった訳です。何とも残念、勿論この試合を戦った日本選手達もこの事実は知っていたでしょうから、悔しかった事でしょう。

こちらは私の無知でした。こちらのウィキペディアの日本代表に関する記事に以下の様に記述がありました。

『NZラグビー暗黒の日』[編集]

その後2年間は試合すら行われなかったが、1966年大西鐡之祐が監督に就任すると、2年後の1968年に本場・ニュージーランド(以下、NZ)への長期遠征計画が持ち上がった。NZ遠征は1ヶ月間で実に11試合にも及び、内、6月3日のオールブラックスジュニア戦と6月8日のNZU戦がテストマッチ対象試合となった。そしてオールブラックスジュニア戦では、坂田好弘が4トライを挙げるなどの活躍を見せて23-19で撃破するという『大金星』を挙げた。翌日の地元新聞には、『NZラグビー暗黒の日』という見出しが踊ったという[2]。そして一連の長期遠征は5勝6敗の成績だった。
読者の方からのご指摘で私が間違っていた事が発覚。ここに謝罪の意を表させて頂きます。

試合を観ての感想

この試合では、日本がスクラムで圧倒していましたね。ボール保持率も互角か少し上回っていたのではないでしょうか。前回の神戸での第1戦に比べれば、簡単なミスも減り、ボールもフィールド内を良く廻っていた気がします。

ラグビーというスポーツの特徴

ここニュージーランドでオールブラックスを中心に、ラグビーの試合を見続けていると、1つ気づく事があります。

オールブラックスは現在世界最強、そしてこのチームを倒せるのは、現在、現実的に観て世界でも数チーム。南アフリカ、オーストラリア(ここ数年低迷していて今現在はあまり現実味はありませんが)の南半球の強豪国、そして北半球のイングランド、フランスといた国々でしょうか。(勿論異論反論はございましょうが)

ですので、オールブラックス中心の観戦生活を続けていると、このラグビーの試合では、なかなか後半に試合展開がひっくり返る試合が少ない、という事です。概ね、試合前の予想に沿った、お互いの世界ランキングを繁栄した試合結果になる事が殆どです。番狂わせが少ないという言い方も出来ます。

前半のうちにそれなりの差がついてしまうと、ここから格下が一気に盛り上げて反撃して逆転という可能性はとても低く、逆に後半は疲れが見え始め、実力差がもろに繁栄され、更に点差が広がるという事も珍しくありません。

こういった試合を私は密かに、『試合前のハカがハイライトの試合』と呼んでます。

でも、ニュージーランド人はオールブラックスが圧倒的に勝つ試合が好き

勿論、周りのキウイの友達達は、試合内容も圧倒していればより嬉しい訳で、こんな事は公には言えません。勿論オールブラックスが勝つのは私も嬉しいのですが、何というかもっとこうハラハラしたいんです。でも、オールブラックスが圧倒してしまう試合が多く、なかなか手に汗握るハラハラする気持ちというのは味わえません。

それこそ私が思うに、こういった感覚は、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカそしてアルゼンチンの間で毎年行われる4カ国対抗、ラグビー・チャンピオンシップでの南アフリカかオーストラリア戦、(アルゼンチンは少し格下になってしまいます)もしくは4年に一度開かれるラグビーのワールドカップの準々決勝辺り(これも相手によりますが)で無いと、緊張感の走った、ぴりぴりした雰囲気の80分の試合というのはなかなかありません。

そういう意味では、このマオリ・オールブラックスと日本の試合は、最後まで楽しませてくれました。

2019年に向けて

2019年のラグビーのワールドカップの日本開催も決定し、日本代表はこれからヨーロッパに遠征のツアーに出る様です。次回のワールドカップは来年、イングランドで。更なる前進に向けて良い結果と内容でツアーを終えて欲しい物です。

それではまた次回。

2014年11月5日

オールブラックスの伝統、ハカ

ラグビーのNZ代表チームであるオールブラックスが試合前に行うハカ、皆さんも一度はご覧になった事があるのではないでしょうか?

これについてはこれまでにも多くが語られているとは思いますが、もう一度おさらいの意味を込めてここで解説したいと思います。

先ずは何はともあれ、ビデオを見てみましょう。



この試合は2008年11月に、ウェールズのカーディフで行われた際の物。ウェールズの選手達がハーフウェイライン上に1列に並び、『俺たちはビビリもしないし、一歩も引かないぞ』という意思表明をしています。更には、地元の観衆も選手達をサポートし歓声を上げ、会場が興奮のるつぼと化しています。ちなみにこの時のウェールズの監督はニュージーランド人でした。数多くある試合前のハカの中でも、マニアの間で語り継がれている一つ。

さて、以下に少し解説を試みたいと思います。

1.  ハカとは?

ハカとは、ニュージーランド先住民族のマオリの人々の文化の一つで、かけ声に合わせて、足踏みや胸を叩きながら歌を歌いながら踊るダンス。

主に戦の前に自分達の力を誇示する為に、また死人を弔う時、もしくわ何かを祝う時や誰か偉業を成し遂げた人に敬意を払う時に使われます。

ですので決して、ただ単に相手を威嚇する為だけの物ではないという事を覚えておいて下さい。

2. ラグビーとハカ

ラグビーの世界ではすっかりと見慣れたものと化してしまいましたが、元々は、1888年に当時のニュージーランド代表チームが披露したのが始まりの様です。最初に行われたハカには諸説あるようで、ウィキペディアの日本語版と英語版では話が食い違っています。
オールブラックスが試合に挑む際、これはサッカー等でも同じですが、先ず試合に先駆け、選手が入場し、両チームの国歌斉唱が行われます。

そしてそれが終わり、さあ試合が始まるぞという時、ラグビーではたまに出場チームの歴史的背景により、例えばニュージーランドの場合キックオフの前に出場する選手も補欠の選手も併せて選手達がダンスを披露します。

また、ニュージーランドのそれはハカと呼ばれます。同時にこの伝統は太平洋諸島系の国々に根付いていて、ニュージーランドを始め、フィジー、サモア、トンガなどの国々もこういったダンスを試合前に披露します。

3. ハカにまつわる事実
  • このハカは、当然相手を威嚇する事を目的としていますが、同時に相手に敬意を表している部分もあります。ですので、ハカが行われている際には直立不動で厳かに受け止めるのが良いとされています。たまにラグビーの国際試合の場で、ハカが行われている時に、観客がブーイングやらチャント等でオールブラックスに対抗しようとしますが、ニュージーランド人にとってはこれは侮辱とまでは言いませんが、ちょっと心が嫌な気分になる時です。
  • このオールブラックスのハカ、2つあります。カマテ(Kamate)とカパ・オ・パンゴ(Kapa O Pango)。伝統的に長い間カマテが使われて来たのですが、2005年に初めて、カパ・オ・パンゴが紹介、導入されました。ですので現在では、このうちのどちらか一つが試合前に使われていて、どちらが披露されるかはその時まで毎回分かりません。このカパ・オ・パンゴが導入された初めての試合は今でも覚えています。当時キャプテンだったタナ・ウマガ指揮の元、今まで見た事無いハカが披露され鳥肌が立ったのを覚えています。この新しいハカがこの試合で披露されるというのは、テレビ等を通して噂が流れていて、ニュージーランド中がわくわくしながら待っていました。
  • 様々な違ったハカが存在し、部族毎によって違ったハカを持っている。そしてラグビーで言うなら、チーム毎に別のハカがあります。例えば高校生のラグビーチームの試合前に、それぞれの学校の伝統のハカを互いに披露します。下のビデオは、オークランドにある2つの高校が試合前にハカを披露し対峙している物。

  • また、ハカには決まった振り付け・ダンスが存在します。やはり一番有名なのは、オールブラックスのカマテですが、このオールブラックスが演じるカマテの振り付けは、このオールブラックスの選手達だけの物で、他の人達がやる事は出来ません。ハカのカマテ自体は、他の人々・グループ(例えばオールブラックス以外のNZを代表するラグビーチーム、Bチーム等)によって演じられますが、その際には振り付け・ダンスはオールブラックスの物とは違います。
  • ハカが行われる際には、それを統率し指揮するリーダーが一人必ずいます。かつてはマオリの血を引く物しかオールブラックスではその役割を担う事が出来ませんでしたが、今ではマオリの血を引かない選手、2000年代中盤から後半にかけては当時キャプテンのタナ・ウマガ、彼はサモア系、そして白人(こちらでは西洋人の血を引く人達の事をマオリ語で、パケハ Pakeha)のリッチー・マッコウによって指揮されもしました。ですので、現在では人種を超えたニュージーランド人の誇りを示す物として捉えられています。
と、まあ、ハカについて書いて来ましたが、次回のイングランドでのラグビーのワールドカップまで1年を切りました。これから色々と熱の入った、本気モードの国際試合の数が増えて来るでしょう。今度オールブラックスの試合の際には、是非彼等のハカを見逃さずに。

それではまた次回。

2014年11月3日

ラグビー マオリ・オールブラックス対日本代表、第1戦を見て

2014年11月1日に日本の神戸でラグビーのマオリオールブラックス対日本代表の試合が行われつい先ほどインターネット上で録画されたものを再生して観戦しました。

試合の方は、61対21でマオリ・オールブラックスの勝ち。計8トライを献上しました。それでも日本も3トライ奪ってますね。2011年にニュージーランドで行われたワールドカップでは、オールブラックスと対戦し、確か83対7で負けてますので、それよりはダメージは少なかったと言えるでしょう。

これから、この試合及びマオリのチームに付いて幾つかの要点をお話ししたいと思います。

1. マオリオールブラックスとは?

マオリとはこちらの先住民族の名で、太平洋諸島系の民族。独自の言葉、マオリ語を持ち、西洋人が18世紀に来る前からこの地で暮らしています。で、このマオリ・オールブラックスに選ばれるには、先祖にマオリがいる事が証明されている事が必須条件。言わばNZ代表のBチーム的存在。確か去年くらいにも、マオリ・オールブラックスは来日して試合をしてるはず。今回Aチームのオールブラックスはアメリカ、そして英国に遠征中ですので、それと日程を併せてこの来日のツアーが企画されたのではないでしょうか。今回のこのマオリ・オールブラックスには、オールブラックスにまだ選ばれた事の無い、若手を集めた模様。若手選手の人材発掘と言った所でしょうか。

2. 日本代表の立ち位置

日本代表は、現在、世界ランキングで11位。これはそれほど日本の試合を見ていないので何とも言えないのですが、サッカーでもそうですがこの手のランキングの類いはあまり信憑性ありません。私の意見としては、このラグビーの世界ランキング、10位以降は入れ替わりが激しいものではないでしょうか。例えば、カナダは17位。確か2007年のワールドカップでは引き分けだった様な気が。また、アメリカは18位。前回2011年のワールドカップでは負けた覚えがあります。

ラグビーの世界では、強豪国、南半球の3カ国(NZ、オーストラリア、南アフリカ)プラスイングランドそしてフランスと言った所が現実的にワールドカップで優勝が狙える国々。そして2番手グループとして、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、イタリア、アルゼンチンそして太平洋諸国(フィジー、トンガ、サモア)が続き、新興国として北米、日本等の国が続くといった感じではないでしょうか。

3. 試合寸評

前回オールブラックスとアメリカ代表の試合に関する記事でも書いた事なのですが、やはり日本も基礎の技術、パスの精度の差、ボールのハンドリング等でのミスが多く、自軍のミスからボールを奪われトライを決められてしまった事が数度ありました。どれだけ高度な戦術を採用し、実践しようとしてもこの様な簡単なミスで自滅してしまっては元も子もありません。

その戦術としては、闇雲にボールを蹴り出すのではなく、パスで繋いで攻めて行くという意図が感じられました。これはどちらかというと、南半球のオーストラリアやオールブラックスが伝統的に使うスタイルでそれににてるのではないかと感じました。一方、北半球のチームには、どんどん前方にボールを蹴り相手陣内に侵入して行く戦術を採るチームが多い様に感じます。

よく考えてみれば現在の日本のコーチ(ラグビー界では監督の事をコーチ、ヘッド・コーチと呼びます)はエディー・ジョーンズ、元ワラビーズ(オーストラリア代表)のヘッド・コーチでしたから、スタイルとして南半球的な要素が見受けられても不思議ではありません。

また、運動能力の個人差、こればかりは究極の所で埋めようが無いとは思いますが、この試合中、これを象徴するなシーンがありました。日本が相手陣内深く攻め込み、後少しでゴールラインだという所で、ボールがこぼれ奪われ、ニュージーランド選手の手に渡ります。日本は攻めに転じていたので急いでその選手を追いかけて走って行くのですが、ボールを持った選手にどんどん差を広げられます。そこで目にしたのは、そのボールを持った選手だけでなく、それをサポートに廻る他の二人の選手に、その追走していた日本の選手は抜かれてしまうんですね。いやあこれは屈辱でしょう、やってる側からしたら。自分も目を疑いました。それくらい個人の運動能力に差があるという事をまざまざと見せつけられた瞬間でした。

ただ悪い所ばかりではなく、スクラムでは、どういう訳か?圧倒していましたね。これには感動しました。

また、幾つものフェーズで継続的にパスを繋ごうとして攻撃を組み立てていました。フェーズとは、ボールを動かし始めてから的にボールを一度止められてしまうまでの時間帯の事で、相手との力の差があれば直にボールを奪われてしまうので攻撃にならず、フェーズ数は少なくなり、相手との力が拮抗していれば自ずとボール保持の時間も長くなりフェーズ数は増えます。例えばアメリカとオールブラックスの試合ではオールブラックスが圧倒していましたので、アメリカの立場からすれば、攻撃時にまるでフェーズの数としては少なかったのが見て取れます。

さて次回のワールドカップまで1年を切りました。また来週末にもう1試合、今度は東京で行われるそうなので、健闘を祈りましょう。

それではまた次回。

2014年11月2日

ラグビー オール・ブラックス(NZ代表)対イーグルス(アメリカ代表)

2014年11月2日の午前9時(ニュージーランド時間)にアメリカのシカゴで、ラグビーのテストマッチ(国際親善試合)が行われ、インターネット上のライブストリームでその試合を観戦しました。

結果は74-6で、オールブラックスの圧勝、計12トライをもぎ取りました。

こちらがその試合のハイライト。



このアメリカでの試合は、来週末からイギリスで行われる親善試合3試合、対イングランド、スコットランドそしてウェールズとの戦いを前に、アメリカに立ち寄ってアメリカ代表と試合をする、言わば今後の3試合に向けてのウォームアップみたいなもの。

更には、オールブラックスがアメリカの地で試合をするのは34年ぶりだとの事。6万2千の観客で、会場は満員でした。

オールブラックスは現在世界ラグビーのランキングで1位、一方のアメリカは18位。ちなみに日本代表は現在11位です。

こちらにそのIRB(International Rugby Board)のランキング表へのリンクを張っておきます。IRBはサッカーで言うFIFAみたいなもので、世界中のラグビーを統率している組織。

また、アメリカという国はラグビー後進国で、プロのリーグは無く、選手の殆どがアマチュアだそうです。

ですので、このオールブラックスがアメリカで試合をするという事の意味は、言わばラグビーというスポーツと、ラグビー界で世界最強のオールブラックスというブランドが、スポーツにおける、まだ未発展でこれからの需要に可能性のある、世界最大の市場のアメリカで、認識を深められるという経済的側面が強いものです。

試合の行われたシカゴのソルジャーフィールドというスタジアムは、本来NFL、アメリカンフットボールのシカゴベアーズのホームスタディアムだそうです。

さて、試合の方はオールブラックスが危なげなく、大差で圧勝。なんだかんだ言ってもかつて一度日本代表は147対幾つかで、歴史上最大の点差で負けた事がありますんで、それに比べたらまあこんなもんでしょう、実力の差から言って。

しかも後半も中盤にさしかかった頃から、オールブラックスは流してましたね。ですので彼等がもう少し本気になっていたら、更に点差は広まっていたのではないでしょうか。

試合のポイントとしましては、

  1. 基本技術の差
  2. チームとしての戦術の徹底の差
  3. 真剣な試合をこなす数の差
が、如実に現れた試合だったのでは無いでしょうか。

1. 基本技術の差


これはもう、どのスポーツでも言える事ですが、どれだけ若いうちにスポーツをプレーし始め、基本技術を若いうちに習得出来るかの差でしょう。アメリカ人のこの試合のコメンテーターの方も、ニュージーランド人はまだゆりかごにいる時からラグビーボールに触れているなんて表現していました。ニュージーランドではラグビーが国技になっており、至る所にチームがあり、小さい頃からこのスポーツに親しめる環境が整っています。人口450万程度の決して大きいとは言えないこの国が、世界で頂点に立っているというのは今更ながら驚きを隠せません。

2. チームとしての戦術の徹底の差

これも試合を見ていると解るのですが、オールブラックスの選手は、攻撃の際に必ずボールホルダーの周りに最低一人、大抵は更に、必ずサポートが付いています。ですのでボールを持った選手が止められた際に必ず幾つかの選択肢が常に存在しています。翻って、アメリカや、これは日本代表の試合等の試合でも共通するのですが、ボールを持った選手がタックルを受け止められた時に、周りのサポートが無く孤立して、ボールを奪われターンオーバーとなってしまう事が度々見受けられます。

また、この試合で一度印象的だったのが、オールブラックスのラインアウト時に、オールブラックスの選手達が前方と後方で2つのブロックを作り、選手がボールを受ける為にジャンプした際、それに吊られアメリカの選手達がディフェンスの為にこの2つのブろくに対応しようと二手に別れ対処しようとし、真ん中に大きなギャップを作ってしまい、そこを突かれて抜かれてしまい、最後にはトライを献上するシーンがありました。

こういう幾つもの戦術を持っていて、それを反復練習で選手達が完璧に学習しチームとして身につけ、戦況に応じて幾つものの選択肢の中から最前のものを選択し、実行する。こういう所に差が現れるものなのでしょう。

3. 真剣な試合をこなす数の差

ニュージーランドにはプロのラグビーチームが4つあり、冬の間には、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカそしてアルゼンチンからなるプロリーグに参加し毎週しのぎを削っています。それに比べると、アメリカの方は、これもコメンテーターの方が言っていたんですが、プロリーグも無く、選手の大半はアマチュアで、プレーする環境という面でそこには埋めようの無い差があると。アメリカの代表はこの試合の為に準備期間があり、集まって一緒に練習を行いましたが、次回は来年の6、7月まで一緒に集まる機会は無いとの事。

それに比べ、オールブラックスの選手の方は、冬の間半年に及ぶリーグ戦を戦い、シーズンオフの夏には、毎年行われる上記3カ国との対抗戦、そして北半球の強豪のイングランドやフランス等との親善試合が毎年の様に組まれ、真剣に試合をする場が多く設けられています。

如何に真剣な場での試合数をこなせるかという事は、非常に大きな意味を持っています。これは日本のサッカーの代表にも言える事なのではないでしょうか。アジアとヨーロッパ、南米との間には大きな開きがあり、地理的、カレンダー上での障害からなかなか格上のチームと真剣な試合をする機会が無く、それが日本のサッカーの進展を妨げているのと一緒ですね。

何はともあれ、この試合には多くのキウイ、ニュージーランド人が訪れ、画面を通しても、スタンドにはアメリカ人の数よりオールブラックスのサポーターの数の方が多いんじゃないかって感じでした。 カナダに住む私のキウイの友達達も大挙してシカゴに押し寄せた模様。この圧勝劇に浮かれすぎてシカゴで警察沙汰になって無い事を祈ります。

それではまた次回。