2008年7月21日

リマーカブルズスキー場 スキーパトロールの訓練にお邪魔

昨日の日曜日、クイーンズタウンのリマーカブルズスキー場、通称「リマークス」に行って来ました。スクールホリデー(こっちの学校のお休み。通常7月最初の週末から2週間)最終日と言うこともあり、もう学校休みの子供連れの家族客の数も少なく、ひっそりとしていて、リフト乗るのにもそれほど待たずに済みました。























































































































































上の写真は、ここのスキーパトロールが週1回のトレーニングで、雪崩で埋もれた際に埋没者を救出する時に、埋没者の位置を特定して救出すると言うものをやっているのを撮影したものです。

これはどういうことかと説明しますと、スキー場エリア外(通常バックカントリーエリアと呼ばれます)にスキーヤーが出向く際には、もちろんエリア外ですので雪崩の危険を除去する作業、通常爆薬などを使って人工的に雪崩を起こし雪崩の危険を取り除く、がされてません。ですので雪崩の危険を考慮に入れて、万が一雪崩に巻き込まれた時に救出される為に「トランシーバー」、(日本語では雪崩ビーコン)を携行します。またシャベルと「プローブ」、(日本語ではゾンデ、日本語じゃないんだけどね...)も併せて携行します。

このトランシーバーは電波を発信、受信し、雪の中に埋もれた人が持つトランシーバーの電波を探り当て、埋没者の位置を特定し、掘り出すと言う仕組みになっています。

ですのでこの作業には熟練したスキルが必要で、スキーパトロールなるものこの作業に精通してなければならず、毎週一回スキーパトロールが、決められた範囲内にある雪の下に埋められたトランシーバーを見つける(一個とは限らず通常2個か3個埋まってる)訓練をしています。上の1枚目、2枚目の写真。雪上にポールが刺さっているのが解りますでしょうか?この様に四隅にこれが立っていてその範囲内にトランシーバーが埋まっていると言うことを示しています。これは全員参加で、全てのトランシーバーを見つけるまでに一番時間が短かった人の勝ちで、一番遅かった人は全員にチョコレートを買わなければならないという決まりがあります。

トランシーバーにも幾つかの種類があり、まだアナログのものが主流ですが最近ではデジタル製の物も値段が安くなってきていて、デジタル製の物を持ってる人もちらほら見かけるようになりました。これはここニュージーランドでのお話で、日本ではどうだかは定かではありません。一般にここニュージーランドは日本に比べると、アウトドア製品に限らず全てにおいて新技術、新製品が入ってくるのは遅いので、日本ではデジタル製のものがそれなりに普及しているのではないかと推測する次第です。

アナログ製のトランシーバーでは、自分のトランシーバーが電波を受信すると音とモニターのランプの明かりの強さ、(緑、黄色、赤の三段階になっている)で、埋没者の発信する位置を探って行きます。トランシーバーには距離のレンジがあり、最初は80メートルから35メートルにレバーを合わし、その範囲内で赤のランプが点灯し最も音が強く響くところでレバーを動かし次の距離のレンジ35メートルから15メートルにへと移って行き、最終的にはどんどん距離を縮めて行き2メートルから0メートルのレバーの範囲内で埋没者の位置を特定するという仕組みになっています。(解りますかね、この説明?)

上の写真で説明すると、3枚目から7枚目では、もう2メートルからの至近距離にいて、確実な場所を特定する作業に入っています。右手にトランシーバー、左手にプローブを持っています。雪面すれすれでトランシーバーを持っているのは、雪の中にどれだけ深く人が埋もれているのかは解りませんし、トランシーバーの発する電波は距離に深く影響されますので、もし誰かが深く埋もれてしまった際に高い位置でトランシーバーを操っていたら、なかなか場所を特定するのは難しくなりますので、至近距離まで来たらこの様に雪面すれすれで作業を続けるのが大事になります。

8枚目、9枚目ではもう位置を特定したので、今度はプローブで雪の中をつつき、手に伝わる感触で人の位置を特定しようとしています。今回はトレーニングですのでもちろん人は埋まっておらず、箱の中に入ったトランシーバーが雪の中に埋められていて、常に電源はオンになっていますので、電波を発しているのです。

で、自分もこの人達に混じってできる限りトレーニングを重ねています。ただしこれらプロの人達に比べると絶対的に経験が不足していますので、どうしても長い時間が掛かってしまいます。またこれは一般の人達にも解放されていますので、現在はリマーカブルズのシュガーチェアーを降りたすぐ目の前に設置されていますので、ご自由にお使い下さい。まあ、スキーパトロールに一声かけてから使い始めるのはいうまでもありませんが。

今回はちょっと複雑でしたでしょうか。バックカントリーに出かける際はそれなりに準備と訓練を怠らないようにしましょう。

それでは。

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